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自分の遣ったことを詳細に、然も取り憑かれたかの様に話す遠矢。 そして、深夜に至る頃。 眼が虚ろになり始めた遠矢で、医師が休憩を打診。 刑事たちも疲れ、休ませる事には木田一課長も了承した。
然し、何処から情報が漏れたか、議員やら企業から依頼を受けた弁護士達が真夜中に警察病院へと駆けつけた。 この時に遠矢は、もう注射の影響から眠っていた。 それから朝方まで、遠矢を病気だの警察の横暴が在っただのと言い面会謝絶と云う隔離しようとする弁護士達と、彼自身からの自白だと主張する木田一課長が対峙して一歩も引かなかった。
そして、明けた朝の8時頃。
ハッと目覚める遠矢は、自分を守ろうとする弁護士達を押し退け、食事もトイレも忘れ刑事達を呼んだ。 木田一課長は、其処で警視庁に彼の身柄を戻すとし。 遠矢も、病院から取り調べ室への移動を刑事達に懇願した。
その日の昼前には、遠矢の身柄は警視庁に逆戻りした。 場所を取り調べ室に移動して、遠矢の自白は更に過去へと遡って行く。
夜中に喋った薬物使用の記事を書く一件だが。 その切っ掛けと成ったのは、金の在る主婦の間に広がっていた麻薬事情の取材からで。 その取材中、一人のセレブを気取る重役婦人を脅して、自分の言いなりにした遠矢だが…。 度々に、その女性へ肉体関係やら金やら、夫の会社の情報をせびった遠矢だが。 女性の息子が遠矢の存在に気付いた。 無論、この男のことだ、子供にも恐ろしい態度にて口止めした。 だが、母親が父親以外の男性と性行する現場を見た少年。 その様子が子供心には余りにもショックだったのだろう、父親に云うと遠矢から逃げようとした。 この遠矢の性格からして、子供相手とて容赦ない。 そうはさせじと怒りに任せ殴りつけた少年は、公園の階段から落ちて首の骨を折った。 以前に木葉刑事が視た少年の幽霊は、正にその時に殺められた少年だ。
此処まで聴いただけで、刑事達の頭はおかしく成りそうだ。 たった五年以内でこの有り様とは、この先を聴くのも恐ろしい…。
更に、恐喝やら誤報記事の話も続いたが。 次なる自白は、都内の或る病院で起こった薬物事件に関して。 都内大手の病院にて、副作用の危険性が高まって輸入禁止と成った薬品を、棄てるのは勿体無いからと使用し続けた。 その結果は、24人もの副作用重篤者を出した事に繋がる。
然し、それが遠矢とどう繋がるかと云うと…。
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