第一章・続3

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また、これに応呼する様に。 大阪、京都、名古屋、横浜、松本、津と、遠矢の語った余罪に関わる地方大都市にて、次々と捜査本部が立てられて捜査が始まる。 この一連の騒動を嗅ぎ付けたマスコミの方でも、夕刊の量を増した分に発行が遅れ。 表裏を合わせて10ページに及ぶ号外まで出した。 TVでは、昼過ぎから速報が立て続けに流れ。 昼下がりの2時を回った頃から、民放が次々と特番として警察の逮捕状況を中継し出した。 遠矢に着く筈の弁護士達は、依頼者の企業、暴力団幹部、議員から咎められたが。 本人達の遣った悪事の証拠が、遂に警察の手に渡ったのだ。 其処から慌て証拠の隠滅をしようとすれば、もう人目に付く事を覚悟する必要が在る。 まるで暴露本を書くかのように喋り続ける遠矢と、その自白の裏を取ろうとする刑事達。 この突然の忙しさは、本当に盆、暮れ、正月が一気に来た様なものだが。 警察がこれまで涙を飲んだ屈辱を取り返す、言わば奇跡の忙しさ。 俄然やる気を取り戻した刑事達は、もう活き活きとして息を吹き返した。 あの悪霊の起こした事件で痛めつけられた警察が、ついにまた元気に復活し始めた。
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