第一章・続3

8/35
前へ
/35ページ
次へ
                    2 遠矢の騒動から3日後、昼間。 神田から秋葉原に掛けて、あの悪霊の仕業と言えた〔首なし殺人事件〕の現場と思しき物件を調べる、変装した木葉刑事と居間部刑事が居る。 エリートサラリーマン風の格好をする迅だが。 (先輩、今日のその格好は…) 里谷刑事プロデュースの格好を、迷わずする木葉刑事。 白い帽子に、白いブランドスーツの上下と云う、マフィア映画のマフィアみたいな格好をさせられて居る。 明らかな違和感を覚える迅だが、木葉刑事はサングラスまでして。 「迅、見ろ。 袱紗を持ってる奴が居る」 と、目を向けた。 木葉刑事達が歩く大通りの対岸側の歩道では、里谷刑事が所轄からの応援やら二課の刑事と歩いていた。 その格好たるや、以前に変装した格好と似ている。 木葉刑事を悪霊の元へと連れて行った、あの時の格好と…。 さて、木葉刑事と一緒に歩く迅は、スマートホンを片手に喋るふりをしながら。 「此方、“チーム先輩後輩”。 袱紗を持つ若者を発見。 只今、尾行中」 近くの駐車場に停まったバンの中では、織田刑事と他の捜査員が待機をして機材を見ている。 ‐ 此方、ベース。 尾行の件、了解 ‐ 其処へ、 「此方、地下鉄の張り込み班。 今、別の袱紗を持つ若者を発見。 尾行を開始します」 と、市村刑事より連絡が入った。 さて、袱紗を持つ違和感の有る若者を、それとなく尾行する先輩後輩の二人。 下手な尾行などしない二人は、応援にやって来た里谷刑事達と上手く挟み撃ちにして、若者が入る雑居ビルを突き止める。 ー 此方、チーム先輩後輩。 対象者が、青と白の縦縞をしたビルに入った模様。 至急、探りを開始して下さい。 - 迅の歩きながらの話に、近くの車両にて待機する織田刑事他の捜査員が動く。 一方、木葉刑事は、 ー 居間部と木葉は、すれ違う時に姿を見られました。 変装を交換する為、一旦は里谷刑事主導のチームにタッチします ー ‐ 此方、ベース班。 了解です。 他の衣服も、此方にスタンバイして有ります。 ‐ 張り込みより3日して、漸くまた若者達が集まり始めた。 迅の所属する二課の話では、若者達は各自勝手に詐欺を働き。 数日に一度、進捗状況の報告に集まるとか。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加