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ハッと目が覚めたと同時に、ベッドから上体を起こした。
呼吸が乱れていて、全身から汗が流れ落ちている。
「はぁ、はぁ…」
部屋は驚くほど静まり返っており、乾燥した空気が流れ込んでいた。
スマートフォンを手に取り、日付と時間以外は表示されていない画面を見つめた。
7時2分。
ここ最近、ずっとこんな調子だ。
内容すら覚えていない悪夢にうなされ、朝が来る。
決まって喉がからからに乾いており、酷い倦怠感が俺の脚を離さない。
額の汗を拭い、出窓から顔を出す太陽を睨んだ。
「見るな…」
俺は呟き、ベッドから起き上がった。
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