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芹岡がにやりと笑い、 「ボーッとしてんじゃねーよ。」 その言葉と同時に、左頬に激痛が走った。 一瞬 視界が白くなり、殴られた反動で倒れ込んだ。 何千本もの針が刺さったような痛みに、涙が溢れた。 また芹岡達の尖った笑い声が聞こえる。 「気持ち悪ぃ」 「泣いてるよー本田君。」 「やべー腹いてぇわ」 心臓が暴れすぎて胸が痛い。 何をされるのか予想は出来ているが、恐ろしくて考えたくない。 怖さで身が震えた。 「顔はやるなよ」 芹岡がそういうと、腹に激痛が走った。 誰かが、つま先で思いきり蹴飛ばしたようだ。 それと同時に、身体のあちこちに激痛が走る。 芹岡達の笑い声が聞こえる。 俺は腹を抱え、必死に耐えた。 「死ねよ」 「消えろや」 芹岡達の罵声の中、俺の意識はだんだんと遠くなって行った。 ーーー死ぬ…。
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