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それを見ていたカーネルという騎士隊長は煙草を吐いて今度は真剣な顔をした。
「ルイス、俺達だってそんなに有能じゃない。時には失敗する事だってあるんだ」
「しかし!」
尚もルイスは言おうとしているルイスにカーネルは遮る。
「だったら、お前が一番最初にお姫様を見つけりゃいいじゃねーか」
そう言うとルイスの肩を軽く叩いて先に捜索に戻った。
「…必ず、助けますから…アリッサ様」
ルイスはそう決意すると拳を強く握り締め仲間の後を追った。
――――――――――――――
「おい、そこの兄ちゃん止まりな!」
その声が聞こえたのはキースが川沿いの方を歩いていて橋を見つけて渡ろうとした時だ。
「ん?」
後ろから聞こえた声に振り返ると派手なボサボサの紫の髪と毒々しい紫の服を着た小さな女が立っていた。
「何だ、お前?」
いきなり現れた派手な女にキースは警戒して尋ねる。女の醸し出す雰囲気から只者じゃないと思った。
「別に警戒しなくていいって。あたいはあんたの背中におぶっている奴に用があるんだからさ」
女はキースの後ろを指差してせせら笑う。この不気味な女に警戒を解かず聞き返す。
「こいつに?」
「そうだよ、任務でね。だからそいつを渡してくれると助かるんだけど?」
相変わらず不気味に笑う女に不信感に捕らわれながら問う。
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