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「こいつをどうするつもりだ?」
「あんたには関係ないだろ?とっとと渡してくれよ。時間がないんだ」
紫髪の女はキースが背負っている女を中々渡さない事に苛立った様子で頭を掻いた。
(こいつ…信用していいのか?)
キースは躊躇った。明らかに怪しい奴を信用していいのかと。暫くキースが検討していると。
「おい、黙ってるって事は拒否って事でいいんだな?」
女はそう言って懐から黒い鞭を取り出した。叩かれたらかなり痛そう、ではなく。
「は!?」
女が出した物に戸惑っていると、女はそれをキース目掛けて振るってきた。
「うおっ!?」
長くしなる鞭を紙一重でかわすとキースは敵意ある目で睨んだ。
「てめえ!いきなり何しやがる!!」
「うるさい!あたいは時間がないんだよ!!だからあんたをさくっと殺ってから後ろの奴を奪うよ!!」
女はピィッと口笛を吹くと女の隣の木が揺れてさっきキースが倒した狼に似た奴が現れた。
「なっ!?」
しかし、先ほど倒した奴より数倍はでかい。キースはあまりの大きさに絶句する。
「ひゃはは、あたいのペットの餌にしてやるよ!!」
女が狼に鞭を振るうと狼は雄叫びを上げた。
「くっ!!」
あまりのけたたましさにキースは耳を塞ぐ。
「さぁ、殺戮ショーの始まりだ!!」
女が叫ぶと同時に狼は突進してきた。
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