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「ひゃはは!見つけた!!」
少女が思いにふけっていると後ろから狂ったような笑い声が聞こえた。
「!!」
少女は驚いて振り返る。
数M後ろに大きな獣に乗った女がこちらに向かってきている。やはり自分を追ってきているようだ。
「やばっ!!」
少女はそう言って前を向き走るが不意に立ち止まった。
「嘘…」
少女の行く先は崖になっていた。
少女が崖を覗きこむと下はすごく深そうだ。
「やっと追い付いたぞ!くそガキ!!」
背後から聞こえた怒声に少女がこわごわ振り返ると先ほどの女が追い付いていた。
「くっ!!」
「手間取らせんじゃねーよ!」
女は甲高い声でそう言うと大きな獣から降りて、手に持っていた鞭で地面を叩きながら少女に近づいてくる。
絶体絶命、少女がそう思った時、崖の下の方から水の流れる音が聞こえた。
どうやら崖の下は川だったらしい。
(もうこれしかない!)
少女は女に背を向け崖に向かって走る。
「あ!おい!!」
女は慌てて少女の元に走るが、少女はすでに崖に飛び込んでいた。
「ちぃ!落ちやがった」
女は崖の下を見たが少女の姿が見えない。
「あ~あ、こりゃ旦那にどやされるな~」
女は頭を掻きながらぼやいた後また獣に乗り、少女を追いかけた。
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