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不意を突かれた狼は蹴られて悲鳴を上げ、彼から降りた。キースは直ぐ様起き上がりこの大きい動物から距離を取る。
「はぁ…はぁ…。危なかったぜ」
肩で息をしながらキースは竹刀を構えた。それと同時に狼も唸りながら立ち上がって獲物であるキースを襲う体勢に入る。
キースは焦った。今はまだ対抗してるがこのままではやられると。
「くそ、竹刀じゃ物足りねぇ。どうしたらいいんだ…」
周りを見渡して使えそうな物がないか探していると大きな樹木に目が止まる。樹木の根本の所に錆び付いた剣が刺さっていた。
樹木に刺さっている剣は大分年月が経っていると思われているほど刀身は錆び付いて、今にも折れそうだ。何故こんなところに剣が?、キースが疑問に思っていると、狼はまた彼を狙い走り出した。
「ちっ、今はうだうだ考えてられねぇ!!」
そう言うやいなやキースは剣が刺さっている樹木に向かって走った。
勿論狼はキースを追いかけてきた。
樹木まで後、2m。キースは全力で走る。
しかし、狼の方が速く、キースの距離がどんどん縮まってきた。
「くそ!間に合え!!」
後もう少し、キースは剣に手を伸ばす。
同時に狼は地面を蹴り、キースの背中に飛びかかった。
キースは剣を掴み、振り返り様に剣を突き出す。
「………つっ!」
ズシャッと腹を貫らぬく音が響く。
そして同時に狼の腹からふきでる大量の鮮血。
狼の腹から吹き出る赤い血が彼の顔や服を汚していく。
「はぁ…はぁ…。ざまぁみやがれ」
キースは絶命した狼から剣を引き抜いたあとそのまま樹木に寄りかかる。
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