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グレイはルナの肩まであったストレートの毛束を指に絡めた。
「次は髪だな」
「……っ!?…」
指にクルクル巻き付けた毛束が巻き髪のように緩やかにウェーブを描いていく。
耳元の後れ毛をほぐしながら掻き上げるように上にまとめていくと、グレイは床にあったドレスの布切れを引き寄せ髪止めとして飾り付けた。
「淡いピンクが似合うな…」
「……っ…」
耳たぶに唇を寄せて囁く。ルナはそんなグレイにどきどきが治まらない。グレイはうつ向くルナを笑うとからかう様にぎゅっと突然、胸に抱き締めた──。
「やっ…」
思わず恥ずかしさにルナは小さな抵抗を見せていた。
抱き締められた腕の中でもがくルナの腕を掴むとグレイはルナの潤んだ瞳を覗き込む──
「いやなら何が嫌かハッキリと口にしろ…」
「…あっ…っ…」
言いながらアップで露になったルナのうなじに唇を押し当てる──
何が嫌かなんてっ…
ルナはグレイの言葉に躊躇いを見せながら押し当てられた唇に声を漏らしていた。
「言えばいい…嫌なら嫌と…ハッキリと──心の奥から俺を拒否しろ…」
「──…っ…」
そんな…
ルナは俯いたまま目を見開いた。
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