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グレイはまたそんなルナを笑うと抱いていた手を放した。
「………!?」
突然目の前に膝ま付いたグレイにルナは驚いていた。
グレイはルナの指先を手に取ると桜貝のような可愛らしい爪に口付ける。
グレイは目を見開いたままのルナを見上げた──
「次のハーフムーンは是非とも私とダンスを御一緒に──…」
「そ、そんなっ…」
「……ルナ…今、言うべき言葉はそれじゃない筈だ──」
「──…っ…」
「もう一度申し込む」
「は、い……」
真面目に怒られてルナはつい黙ってしまった。
グレイはまたルナの指先に唇を落とす。
静かな部屋で、ルナの鼓動がとても大きく高鳴っているのが聞こえてくる──
グレイはルナの指先を見つめたまま思わず口端を緩めた。
「…ルナ…」
「……は、い…」
「次のハーフムーンは是非、私とダンスを御一緒に──」
「……は、ぃ…」
「…それでいい…」
グレイは膝を上げると俯いたルナの頬に手を伸ばす。
下を向いたままの顔を上げさせるとグレイはゆっくりと唇を重ねていた──
「んっ…」
「気が早いな?」
「──…」
「そんなもの欲しそうな顔をして──」
「……!?」
「そんなに俺が好きか?」
「なっ!?」
「口付けだけで俺が欲しいって顔をしてる」
唇を重ねながら吐かれた言葉にルナは大きく抵抗を見せた。
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