怪傑ジャッジちゃん

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 とある朝。冷蔵庫にあった牛乳の賞味期限をなにげなく確認すると、二日すぎていた。 「微妙だな」  思わず声が漏れる。  一日なら躊躇わず飲むだろうし、三日なら問答無用で捨てる。しかし、二日とは。どうすべきか。 「そんなときは、この怪傑ジャッジちゃんにお任せよ!!」  牛乳のパックを持ったまま固まっていると、玄関のドアが勢いよく開き、変な女の子がでんぐり返りをしながら飛びこんできた。 「えっと、きみは? ってか、玄関の鍵開けっ放しだった?」 「あたしの名は、怪傑ジャッジちゃん! 色々なものを判定しちゃう魔法少女よ!」  しつこいほどフリルのついたスカートを翻し、ギリギリパンツが見えそうな、けしからんポーズを決め、彼女は名乗った。  なにも言えず唖然としていると、ジャッジちゃんは僕の手から牛乳パックをひったくり、ごきゅごきゅごきゅと一気に飲み干してしまった。 「あ、それは賞味期限が……」 「うん。これは……ギリギリアウトだね」  こう告げるや否や、ギリギリと痛むらしいおなかを押さえ、ジャッジちゃんは僕の家のトイレを占拠した。
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