週末のゲーム

5/6
117人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
ゲームの開催日は毎月金曜日の夜。 三人の都合が合うか合わないかで、決行か中止かが、その都度変わる。 ターゲット=客、は誰でもいい。 SNSを使い適当に引っ掛ける。 だだし、こちらの条件をのんで、決まり事を守れると断言する人物に限る。 ルールは簡単。 セックスはしない。 体に触れても触れさせてもいけない。 こっちは全裸になるだけ。 でも裸体を見ながら、相手が服を脱ごうが性器をしごこうが、それは構わない。 あくまでも私たちは【見せるだけ】 料金は後払い。一時間、一万円。ホテル代別。 《高い》と文句をつけられるのは、大体制限時間内の半ば程から。 どの男も、素人の裸を見るだけで一万円も払う気はないし、そもそも本気になんかしていない。 ルール違反のペナルティー、プラス一万円の支払いも口約束だけでヤリ逃げ出来ると思い込んでいる。 私たちは、そんな傲慢かつ嘘つきな男が、白目をむいた馬鹿な蛙に成り下がるのを眺め、優越感に浸るためにこのゲームを繰り返している。 だけどこちらは決して違反などしない。 財布の中にどれほど大金が入っていても、見せた分とペナルティー分の、合わせて二万円しか男からは取らない。 稀にいる、自慰行為だけで済まして帰る変な客からは、提示した料金のみを受け取り、電気ショックも与えない。 そんな時は、逆に変態男の性癖を満たしてあげたようで、気分が悪い。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!