週末のゲーム

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週末のゲーム

「どうだった?」 深夜のファミレス。メニューを開き最初に訊いてきたのはマユだった。 「二万円」私は金額で答える。 「二万円」翔子も同じ。 「私も二万円」マユはケラケラと笑う。 その金額は客のルール違反を意味する。 料理の注文をしたあとに、私たちはスマホを見せ合った。写メの画像は、どれも仰向けの蛙。 私のは、ひょろりとした色白眼鏡。 マユは、頭髪がほぼない脂ぎった太っちょ。 翔子は、見た目は特にこれといった特徴もない普通の男。 だけど「ロープ持ってたのよ」彼女は眉間を寄せて言った。 「げっ、最低」と、マユは吐いた。 私たちのゲームには常に危険が付きまとう。 だからそれぞれにスタンガンを所持している。 最初はみんな、そのスイッチを押すのに躊躇いがあったけど、今となっては身を守る大事な武器。 使う自分さえも威嚇する音や光にも、もうすっかり馴れた。
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