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「なんで泊まる前提やねん。まあ、ええけど」  眠気まなこをこすりこすり、僕はその提案に乗ってしまった。どうせ、いつものゲーム大会やろうな、なんて思いながら。  ガタン、と電車が突然止まって、僕たち乗客はふらつく。慣性の法則や、と巽に言うと「そんな当たり前のこと、鬼の首獲ったみたいに言うなや」って笑われた。  ******  俺は、公園で目が覚めた。顔に職をくださいと書いておけばよかったかな。  奨学金を使い込んだのが親にバレて、家に帰れず、こんなところで夜を越えてしまうなんて、あの頃の自分が見たらどう思うのかな、はは。  噴水で遊ぶ子供らのうち何人が自分のような人生を送るんだろう。こんなクズに、どうやったら育つんだろう。自嘲したところで、そばで見守る母親たちの、自分に向けられる視線の痛みは変わらんて。罪や咎を再確認したとてその重みはなんら変わらないんだし。  ベンチは俺の体温でぬるく、風に撫ぜられても毅然とした態度で佇んでいた。  帰ろう、家に。謝れるもんなら謝ってみよう。     
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