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望月花蓮が登場してからというもの、人気があったアイドルでさえ、課金がなくなり、削除されていった。
「全部アンタのせいよっ」
そう言いながら、刃物を持って花蓮に向かって行った「削除予定」のアイドルが、花蓮を刺そうとした瞬間消えていったこともある。
デビューしてから火がつき、大量の課金を手に入れた花蓮は、歌の世界だけではなく、次第にドラマにも進出してくるようになった。
脇役で登場してきたとき、真鈴は花蓮と共演したのだ。そして、そのドラマの視聴ポイントでは、真鈴は花蓮に大差で負けていた。ヒロインが脇役に負けることは、通常ではありえないことである。
「明日、イベントだから挨拶しておこうと思って」
親友であったアイドルの一人が部屋に訪ねてきたこともある。
「あたし、そろそろだと思うの。それで、ね…、多分、あ、明日ね…」
そう涙を溜めながら話す相手を見て、真鈴は「もういいから」といって、背中をさすり続けたこともある。
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