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次々とアイドルは削除されていった。真鈴と一番仲が良かった、花蓮が登場するまでトップアイドルだったタレントも、先月削除されてしまった。
泣き崩れることはなかった彼女も、削除の恐怖におびえていた。
最後の夜、ふたりで何も語ることなく過ごしたことを真鈴はよく覚えている。
「真鈴、あたし、あたし、消えたくないよッ」
削除が決まった瞬間、初めて泣き叫んだ彼女のことを、誰が非難できるだろう。少なくとも、真鈴も嫌だった。仲がいいタレントが消えていくのは、辛い。
恐らく。
「今月は私でしょうね」
真鈴は分かっていた。もう自分に後がないことくらい。
それくらい、花蓮の勢いはすさまじいものだったのだ。
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