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ああ、また並んでいる。僕はまだ余裕があるけど前に立っているノンベー先輩は時々ふらーっとしてかなり限界近そうだ。
良かった、一個あいた。
でも先輩はそこから動かない。
「先輩、空きましたよ」
「ああ、先いいよ」
僕はまだ余裕あるのにな、と思いつつありがたく先にコンセントに向かう。床に座ってプラグを差し込む。そこでいつも通り、意識が途切れる。
数日後、事務室に貼り紙が出ていた。『充電器の利用について』。電源室の充電器を最新式急速充電器へ一新するそうだ。
「これで混まなくなる……先輩、良かったですね」
たまたま電源室で居合わせたノンベー先輩はそれに「何がだ……」と答えた。
「何も良くないぞ。休憩時間が短くなるだろ」
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