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パロロロロ……と工場内の喧騒に比べれば微かな音をたてながら扇風機が回っていた。首振り機能をONにしてやるとあっちへこっちへ規則的に向きを往復し始める。丁度奥で作業中のアンドロイドの駆け回る位置とタイミングがあっている。
「向日葵のようだ」
とヨゼフ。俺の喉からぶほっと空気が抜ける。
夏場の倉庫で動き回るアンドロイドはまさに熱源だ。しかも最近動力部にガタがきていて過熱がちとなれば……。
「おいコラそこー! サボるな!」
その熱源に怒鳴られて思わず腰を浮かせた。
「あー! またそれつけてるのか! 電気代もったいないし書類が飛ぶだろうが! 切るぞ」
プツン、とボタン一つで動きを止めてうなだれる扇風機。
追い立てられて持ち場に戻りながらそれをもう一度振り返り、熟した向日葵みたいだな、そう思った。
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