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さて。
次の週末…。
私は、いつもの様に旧友の吉岡からカラオケに誘われたが、いろいろ理由を付けて断った。
もしも…
酔っ払った吉岡が、
カラオケでまた『あの歌』を歌ったりしたら……。
そう思うと…
何となく気持ち悪くて、とても、カラオケに行く気にはなれなかったのである。
(まあ結局、私の考え過ぎかもしれないけど)
さて。
連日のテレビや新聞の報道によると…
この一週間…警察の捜査は目覚ましい進展を遂げ、例の教団施設から逃亡した幹部達は、次々と逮捕されていた。
しかし…
肝心の教祖の男だけは、
警察の必死の捜査に関わらず、未だに捕まっていないようだった。
(既に逮捕された幹部達も教祖の行方は知らない模様だとニュースで報じていた)
「さてと!!
今日は、久しぶりに自宅でのんびりしようかな」
その日の授業を終えた私は、帰宅の為に繁華街を歩いていた。
街は、週末と言う事も有ってなかなかの賑わいぶりだ。
道行く人々の笑い声やパチンコ屋から漏れ聞こえて来る音楽…
街は様々な音で満ち溢れていた。
と…
不意に、
聞いた事が無いリズミカルな歌が…
どこからか、私の耳に飛び込んで来た。
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