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さて…。
次の日の月曜日。
その日一日の授業を終えた私は、
帰り道がてらに行き着けのCDショップに寄って、『あの歌』について店員さんに聞いてみようかと考えてながら繁華街を歩いていた。
と…
「号外!号外です!!」
男性の大声が聞こえてきたのでそちらを見てみると、路上のあちらこちらに数人の男性が立って、道行く人達に新聞を配っていた。
「へー。号外だなんて珍しいなぁ」
私は、男性の一人からその号外新聞を受け取ると、歩きながらその内容に目を通した。
と!
「わ!マジで?!」
私は、その内容に驚いて、思わず立ち止まってしまった!
しかし、すぐさま道のど真ん中に立っている事に気付き、通行人の邪魔にならないように道の脇に寄って、改めてその記事を読んでみた。
その内容と言うのは…
かねてから…
何かと『黒い噂』が有る…
カルト教団
『言(こと)の家族』。
今日の朝9時、
奥多摩山中に有るその教団施設に警察の強制捜査が入り、
その結果、施設の大部屋内でおびただしい数の男女の遺体が発見されたと言うのだ。
その亡くなった全員が、
教団の青い制服を着用している所から信者達と見られ、全員が劇薬を飲んで絶命していた。
警察の捜査が入る事を事前に知った信者達が、もはやこれまでと自ら毒を飲んで自殺したのか…
それとも、教団の事を知りすぎた信者達の口を封じる為、教団の幹部達と教祖が言葉巧みに信者達に毒を飲ませたのかどうかは…不明。
不明と言うのは…
施設内に踏み込んだ捜査員達がどこを探しても、その教祖と数名の幹部達の姿が、どこにも見当たらなかったのである。
つまり、警察が踏み込んだ時には…
施設内に生きている人間は一人もいなかったと言う事になる。
警察は、施設から逃亡したと見られる、教団の幹部達と教祖の行方を引き続き全力をあげて捜索すると、記者会見で発表した。
と…いう所で、
その号外記事は、締めくくってあった。
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