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「──まぐまぐ……」
今は東京、オシャンティなショットバーで一人呟く。
「まぐまぐ……したい」
「なあに? まぐまぐって」
そこで拾った大人の恋。
隠語の話からオイラたちはすぐに意気投合。セクシーなシースルーワンピが似合う美女だ。
「……ねえ。私、近くのホテルに部屋を取ってるの。そこで……」
(回りくどい駆け引き無用のオトナ女子……イイ!)
「OK。じゃあ……」
その時、オイラと彼女の間にピョコッと小さなおかっぱ頭が割り込んだ。
「カルーアミルク。カルーア抜いてね」
「…………」
場違い感MAX、エプロンスカートの幼女が横目でオイラをチラ見する。
「こら。ワクドナルドで『バーガーのピクルス抜いて』みたいに言うんじゃない。何しに来たんです、ヤミー」
「ピクルスは好き。九兵衛の誕生日のお祝いに来たの」
「はい、イミフー。オイラの誕生日、今日じゃないし。ではこれで」
オトナ彼女の手を掴み、店から脱兎のごとくホイサッサ。
ヤミーは『かまちょ』で、ちょくちょくオイラの元へ現れる。今夜ばかりはかまってられるか、おととい来やがれ、てやんでぃ!
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