再会

14/14
前へ
/36ページ
次へ
 健二の喉がカラッカラッに渇いた気がした。 「うん、香織がいやなら、別の娘を奴隷にするだけやで。それは、香織次第やな。」 (あかんかな?それとも、この娘次第やな。どうかな?)  ドキドキしながら、香織の答えを待った。 「そんなん、いや!あたし、以外の娘が健ちゃんの患者さんなんて、耐えられへん。けど、、恥ずかしい。」  健二は香織の次の動きを待っていた。 (けど、このまま、恥ずかし過ぎる。けど、誘ったのは私。どうしよう?健ちゃんの、患者さん、ううん、奴隷、、どうしよ、、)  健二は香織の答えを聞いて縄をかけていた左手首から、縄をほどき手首から外した。 「あ、あの、ホンマに、これきりなの?健ちゃん、本気なん?」  香織の中にチャンスを逃したくない思いと、二度と健二に会えなくなる恐れの気持ちが大きくなっていた。  香織の心の変化を感じ取りながらも、健二はほどいた縄を持って来ていたカバンの中に入れ、立ち上がった。 「うん、これっきりや。明日からは、普通の同級生に戻るだけや。ほんなら、帰るわ。小学生の頃のことは、わすれるんや、香織。ほなな。」  そう言うと、蔵の出口に向かった。 (無理やったな。やっぱり彼女は普通に生活したら、ええやろ。)
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加