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健二の喉がカラッカラッに渇いた気がした。
「うん、香織がいやなら、別の娘を奴隷にするだけやで。それは、香織次第やな。」
(あかんかな?それとも、この娘次第やな。どうかな?)
ドキドキしながら、香織の答えを待った。
「そんなん、いや!あたし、以外の娘が健ちゃんの患者さんなんて、耐えられへん。けど、、恥ずかしい。」
健二は香織の次の動きを待っていた。
(けど、このまま、恥ずかし過ぎる。けど、誘ったのは私。どうしよう?健ちゃんの、患者さん、ううん、奴隷、、どうしよ、、)
健二は香織の答えを聞いて縄をかけていた左手首から、縄をほどき手首から外した。
「あ、あの、ホンマに、これきりなの?健ちゃん、本気なん?」
香織の中にチャンスを逃したくない思いと、二度と健二に会えなくなる恐れの気持ちが大きくなっていた。
香織の心の変化を感じ取りながらも、健二はほどいた縄を持って来ていたカバンの中に入れ、立ち上がった。
「うん、これっきりや。明日からは、普通の同級生に戻るだけや。ほんなら、帰るわ。小学生の頃のことは、わすれるんや、香織。ほなな。」
そう言うと、蔵の出口に向かった。
(無理やったな。やっぱり彼女は普通に生活したら、ええやろ。)
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