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知る人ぞ知る存在だったこの俺――いや、よそう――誰にも気にかけられることのなかった三流作家の俺が、TVの2時間スペシャルをきっかけに、あれよという間に売れっ子ノベル作家になった。
兆しは何一つなく、突如としてベストセラーランキング常連作家の仲間入りをはたしたのである。
2時間ドラマが高視聴率だったため、スタッフとキャストをそのままに、秋から連ドラが放映スタート。こちらも平均視聴率20.2％をキープし、昨今のTV離れを食い止めるのに一役買った。
こうなると、自然な流れとして次は映画化だ。書き下ろし続編を俺自身の手で脚本化、かなりの制作費をかけて、映画は制作された。
今をときめく売れっ子アイドルをゲストに迎えたこともあり、映画は最終興行収入70億円超えの大ヒットを樹立した。
俺はウハウハ、TV局もウハウハ、制作スタッフもキャスト所属事務所も、みーんなウハウハという、近年稀にみる大成功をおさめたのだった。
チリン。
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