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血まみれの子供、横たわる死体、血の足跡。現場写真を見ながら当時を思い出す。そもそも、捜査対象に5歳児があがるなんて誰が思う?5歳の子供だぞ。少々の違和感があったとしても、5歳の子供に疑惑を向けるなんて考えられない。
「課長。どういう流れで子供が捜査対象になったんですか?」
鬼課長は片方の眉をヒクっとさせてホワイトボードの前に立った。
くるんと回転させると事件の流れが書いてあった。
「ここを見てくれ。」
赤い下線が引いてある部分をコンコンとペンで示す。そこには事件当時にはなかった証言が書かれていた。
「ごめんなさい。パパ、ママ、おにぃちゃん、おねぇちゃん。痛かったよね?」
は?どういう事だ?
「課長!どういう事ですか?事件当時の証言と違いますよ。」
「まあ、落ち着け。お前達、まだ最後まで読んでないだろ?まあ、いい。こっちで説明するよ。
この証言は事件当時のものではない。事件後、次女の真緒は身寄りがなく施設に預けられた。そして、保護した時にいた婦警が長きに渡って様子を見ていたんだ。この証言は三ヶ月程前のものだ。」
鬼課長の説明に、みんな黙った。
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