第1章

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それから暫くして事態は急展開した。施設で子供の変死体が見つかったのだ。 朝の会議で鬼課長は片方の眉をヒクッとさせて物凄い事を言い切った。 「犯人は佐田 真緒 6歳。」 「課長。その根拠は何ですか?」 冷静に聞く近藤。鬼課長が何を言うのか視線は課長を捕らえる。 「犯人は佐田 真緒だが、多分、真緒は死んでいる。一年前のあの日に。」 ざわついた。どういう事なのか説明を求めた。鬼課長は、お前ら、ビビるんじゃねえぞと片方の眉をヒクッとさせて静かに話す。その静かさが不気味で堪らない。 鬼課長は監視カメラの映像があると言った。 「課長。監視カメラは壊されていたじゃないですか。」 「そうだよ。これは別のだ。誰もが知ってる場所にある監視カメラは壊されていた。万が一を考えて、職員にも内緒で監視カメラを設置しておいたんだ。知ってるのは施設所長のみ。」 俺達が召集される前から鬼課長は調べていたんだとその時わかった。 「これが、その映像だ。目をそらすなよ。」 鬼!やっぱり、あんたは鬼だ!流れてきた映像にみんな固まった。
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