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ふっと意味ありげに笑って課長は話を続けた。
「お前達がここでする仕事は疑惑を解消する事だ。白か黒か疑惑を追求する専門チームってとこだな。相手が誰であろうが、とことんやれ。根こそぎさらって真実を暴き出してくれ。縛りはないからな思いっきりやっていいぞ。」
鬼課長の顔がニヤリと笑う。なるほどね、俺達を選んだ理由がわかった。洞察力、忍耐、体力、柔軟性、対応能力、判断力に長けている者のリストが存在する。俺達はそのリストに名を連ねている。存分に発揮しろという事か…。
「課長。やるべき事はわかりました。それで、今回は、一家惨殺事件を調べるって事ですね?」
「そうだ。普通の捜査なら、一課の連中がやってる。そこから一歩踏み込むんだ。疑惑の人物を調べあげてくれ。一年前の捜査資料はここにある。流石にな、一年も経つと、細かいところまで手がまわらないんだよ。日々、事件は起きてるからな。
そこで、お前達の出番というわけだ。よろしく頼むよ。」
鬼課長は、やはり鬼課長だった。鬼課長の口から語られた内容に、察してはいたが流石にみんな言葉を失った…。
疑惑の人物…それは、生き残った子供。
次女の真緒だ。
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