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ファイルを持って文字を手で追いながら、課長~と呼ぶと書いてある事を読む。
「11月21日。午前10時06分。保護された次女の真緒は警察病院で診察を受ける。ショックからか言葉を喋らない。
医師の指示により、いつから喋らなくなったのか確認する。
現場で次女の声を複数の捜査員が聞いていた。証言によると、発した言葉は、『パパ、痛かったよね。ママも痛かったかな?』
通報を受けて午前9時43分、現場に到着。午前9時56分、現場から次女を病院に搬送。
よって、最後に喋ったのは午前9時50分前後である。以降、言葉を喋らない。」
みんな手元の資料から目を離して顔を上げた。近藤は続けて聞いた。
「次女がパパ痛かったよねと言った時のこの状況、詳しくわかりますか?」
すると鬼課長は俺と立花を見て説明しろと言わんばかりのオーラを醸し出した。
「澤登、立花、覚えている事を教えてくれ。」
「はい。確か、俺達が到着した時に次女は血まみれで父親の傍に立っていました。小さな子供にどう接していいのか状況が状況でしたから、捜査員はおやじばかりでしたから婦警を呼んで、鑑識に女性の長森さんがいたので、婦警が来るまで傍にいてもらったと思います。その婦警が来るまでの間に父親に向かって言ったんですよ。だったよな、立花。」
そうですと立花は頷いた。
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