まもるべき純情

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 まもなく四時間目のチャイムが鳴ってしまった。するとどうだ。次に体育館を使用するクラスが入ってくるではないか。  となると上の積み荷を下ろすこともできない。不用意に音を立てると、誰かが不審に思って倉庫を確認するかもしれない。  そうなると待つのは、死――。無論、社会的に、である。  けれど幸いなことに、茜音たちのクラスの四時間目は自習だった。担当教員が出張だからだ。なので事態がすぐに露見することはない。  二人の不在を疑問に思う者はたくさんいるだろうが。  それはそうとして――。  くっそぉ、ベタな展開にしてもさ、アニメとかなら、ふつうこれ男女逆じゃん?  なんであたしが上? なんで前田を庇って下敷きになってんの?   しかも前田の、このポジショニングはなに? なにちょっといい思いしてるわけ? いやまあ――いい思いをさせるほどのモノではないかもしれないけど。  とにかく答えろ神様バカヤロー。
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