平成29年3月20日

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妻が子を連れて実家へ去っていった。これまで妻の両親との関係を良好に保つため、妻の福岡での寂しさ・ストレスを緩和するために、妻の実家である長崎の実家へ足を運ぶ機会を極力作ってきたが、妻の実母とのコミュニケーションにストレスを感じ、それを泣きながら・諭しながらヒステリックに妻に打ち明けたことが発端となった。妻からは躁鬱病の疑いがあると指摘され、妻の実父からは覚醒剤使用の症状を疑われ、妻の実母からは妻の支えにならないと目を合わさずに伝えられ、妻・子を誘拐したと誤認されないよう覚書の記載を要請され、去っていった。  妻は私の実母が嫌いであった。妻と私は8歳差の年の差婚で姉さん女房である。私が妻から聞いた話では、年の差婚に対する批判が根茎にあるという。そういった背景もあり、極力我が実家へ足を運ぶことは差し控えた。数少ない実家への帰省の際、妻が考える子育てに対する介入もあったのであろうが、少なくとも我が両親からの支援・コミュニケーションに対しては拒否的であった。そのような雰囲気を知ってか知らずか、私達が住む同県の住まいへ足を必要が無い限り足を運ぶことはしなかった。  それに対して妻の実母は、期をみては私達住まいにやってくるようになった。妻のストレスも少なくなり、孫の顔も見れる。それは妻にとっても実母にとっても心地の良いものであったのだろう。私にとっても妻が落ち着いた様子でいてくれることが、最良のことであると思っていた。妻が出産を終え、状態が安定したと判断された昨年6月からの話である。
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