平成29年3月20日

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私は現在31歳、理学療法士として働いている。地元である福岡県で学生時代を過ごし、専門学校を卒業して専門分野で修行がしたいということもあるが、親元を離れて自活したい希望もあり長崎で就職した。当時21歳であったが、仕事は楽しかった。その道では名が通った職場でもあったし、先輩からの厳しい指導も愛のあるものだった。何より患者の目線に親身にたった直属の上司や医師に恵まれて日々過ごすことが出来た。あまり勉強が得意というわけでもなく、苦行が多いことから行きたくなかったが、結果的に大学院で学ぶことも出来た。元々自分が望んで理学療法士の道に進んだし、金銭的には奨学金を一部使って卒業したので、返済をしながらの生活で金銭的に余裕があったわけではなかった。ただ住んだ都市が地方都市であったことも幸いして夕食は住居のワンルームアパートからほど近い立ち呑み屋で過ごし、次第に友人(近い年の人間は数えるほど、何故か一回り上ばかり仲良くなる)が増えていった。  程なくしてその友人の一人からボランティアをしないか?と誘いを受けた。聞けば音楽イベントのボランティアだという。行政主催の夏祭りのイベントで今で言う夏フェスに近いようなアーティストを呼ぶという趣旨。趣味が音楽鑑賞であった私は快諾した。夏のある日、もう9月に近かったと記憶しているが、天候には恵まれた日だったと記憶している。(本当はいけないが)友人とビールを飲みながらボランティアとして携わり、酔いも手伝ってか高揚した気持ちであった。妻と出会ったのは、その打ち上げ。当時他のボランティア団体として参加していたという。打ち上げでたまたま、目の前の席に座っていて私が声をかけた。そこまでは覚えているが、どんな形で連絡先を聞いたのか?正直言ってあまり覚えていない。気がつけば、私が食事に誘い、私の通う立ち呑み屋で一緒に呑み、年の差もあって周りから反対された部分もあったが交際することになった。
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