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場所は変わり、門近くの雑木林。
ひっそりと身を隠し、二人の様子をーーー否、少年が来る前から門前の様子を伺っていた俺はニヤリと口を歪め、嗤う。
「さて、さて、さて。これでようやく役者は揃った」
スマートフォンのメッセージアプリを起動させ、慣れた手つきで文字を打ち込み、送信ボタンをタップ。
「この学園に嵐を巻き起こす少年。吉と出るか凶と出るか……」
返事は素っ気なく、「そうか」の三文字。だが俺にとって、それで良かった。
新しいオモチャを貰った子供のように浮かれている。
「どっちだと思うかな、会長様?」
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