捨てる女

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そう、私はただいま3股の恋愛中。 今日デートした相手は、6つ年下、21歳の冬馬。 パチンコ店でバイトをしていて、まだ将来の事なんて全く考えてないって感じで毎日をやり過ごしているような男。 冬馬とは、友人の友人繋がりのどうでもいい合コンで知り合った。 多分初めは私の事を、さみしい独身OLと見越して金ヅルにでもしようとしていたんだと思う。 そんな事すぐにお見透しだった。 だけど、一緒に居ると楽しかったからつい付き合う事にしちゃったけど、次第に彼の甘さが目に余るようになった。 やんちゃで調子が良いお坊っちゃんを痛い目に合わせたくて、一度別れるのを覚悟で私は冬馬に説教した事がある。 お金について、仕事について、人生の生き方について。 ウザいくらいの説教だったと自分でも思ったが、冬馬にはそれがなぜか良い方向に心にグサリと突き刺さったらしく、号泣されてしまった。 それからというもの、冬馬は飼い犬みたいに私に従順になり、それがまた可愛くて仕方がないのだった。 都会で頑張るやんちゃな私だけの忠犬ハチ公くん。 結局、ズルズルと1年半付き合っている。 そうして気がついたら私は27歳になっていた。 一方、先程さっさと帰してしまった男、修吾は、4つ年上、31歳の証券マン。 仕事を通じて知り合い、何度か話しているうちに彼から食事に誘われたのが付き合うきっかけだった。 付き合いは半年と日は浅いが、修吾は私にとって、頼りになるお兄さん的存在で、一緒にいると安心感がある。 それだけに、ちょっと刺激は足りない。 でも結婚するなら彼みたいなタイプがベストなんだと思う。 なんだかんだで私の我がままを受け止めてくれるから。 最後の1人は、シオン。 バーテンダーをしている1つ下、26歳の彼女持ちの男。 彼だけは、私が3股をしている事を知っている。
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