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「赤峰さん、この人が犬養 冴月。さっき怒ってたサツキちゃんね。
冴月ちゃん、こっちの子は今日からバイトする赤峰 日和さんね」
日和と冴月を置いて、其々に紹介をする土田。我に返った冴月はギロリと土田を睨む。
「てめぇは後で覚えてろ…!」
その顔で日和が再度怯え、冴月は咳払いをして顔を戻す。
「わ、悪い…元々こんな顔だからよくビビられるんだ…
俺が犬養だ。このアホ店長が勝手なことしてたから、アンタは全然問題無いからな?」
「は、はい……」
「店の説明はアホがするし、分からねぇことがあったら聞いてくれ」
「はい…」
悪いと謝りながら、冴月は首を掻く。そして土田を睨みながら店の奥に消えた。
「んー…後が怖いなぁ~。
とりあえず赤峰さんは気にしないでいいからね。冴月ちゃんも赤峰さんが悪くないのは分かってるし」
「はい…」
笑う土田にそう言われるが、日和は小さく返事しか出来ない。店の奥に消えた冴月のことを考えていた。
冴月に怯えてではない。初対面にも関わらず、何故か懐かしい気がした。
そのとき、ふと日和の頭にある言葉が浮かんだ。
「生まれ変わり…?」
「ん?」
「あっ…何でもないです…!」
「そう?なら仕事説明するから入ろうか」
「はい…!」
日和は小さく頭を横に降り、土田に付いて行く。
(そんなはずない…だって冴月は12年前に死んじゃったんだ。犬養さんが生まれ変わりなら年が合わないし…
そんなはず、あるはずない…)
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