50人が本棚に入れています
本棚に追加
/291ページ
「あの…今野原さんと通りですれ違ったんですけど…」
遅れてやって来た日和が恐る恐る顔を覗かせる。
「日和っち!真希が急用で帰っちゃってさぁ~、店前の花の水やりとレジ任せて良い?
他の仕事、全部俺がやるから!」
そう聞きながらも、昴はラッピングを終えると、日和の返事を聞かず颯爽と出て行った。
「…へっ…?」
「まぁ、そういうことだ。
バカ柴は絶対仕事手伝わせねぇだろうから、赤峰と星は店のこと頼む。俺も後から仕入れ先にアホ晴明と行くことになった」
状況に追い付けない日和に、日和のタルト分用に皿とフォークを準備しながら冴月が説明する。
「あっ…そのタルト、店長の差し入れですか…?」
「…また相談なく決定された」
「差し入れってか、詫びの品か…
確かそのタルト、冴月さんが気になってたヤツでしたよね?」
急な流れの状況下でも、土田が冴月を不機嫌(物を投げまくる暴走鬼)にし、土下座してタルトを渡したのは、日和も星も分かった。
最初のコメントを投稿しよう!