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五日目 小さな幸せ
貧乏生活も今日で終わりだ。くじ引きで当たったラーメンやふりかけで作ったおにぎり、二日目に買った卵の余りでしのぎ、明日銀行に駆け込めばいい。
だが掌の上には102円。まだ、余っている。
男は大学の帰りにコンビニによると、98円のアイスを手に取った。
この五日間頑張った自分への、小さなご褒美だ。
男の貧乏生活は終わり、小さな幸せを味わって男は眠りについた。
男は忘れていた。明日は朝から晩まで講義があることを。講義は9時から。銀行は10時から。一人暮らしの学生にとって、ATMの時間外手数料はばかにならない。
次の日、失念していた男は休み時間にあわてて銀行へ駆け込むこととなったのである。
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