出会いは萌死の一歩前

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夏休みも今日で終わる。 倉田譲二は仕事でくらったダメ出しの影響そのままに親友カップルと過ごしている。 「譲二お前いい加減にしろよ、貴重な由香里さんとのデートに付き合わせてやったのに」 「いいのよ幸喜さん。譲二さんがつらいのも私には分かるもの」 「由香里さん締め切りあけだからってぬる過ぎます」 由香里はBL漫画家だ。そして譲二は官能小説作家だ。 「…天啓が欲しい」 カフェテーブルに頭をつかん勢いで吐き出した。 「…重症ね」 「…あ~、母親とか父親は?」 「そもそもウチは夫婦で簡潔してるとこあるから」 母は官能小説作家、父は性風俗を学的に研究している。お茶の間で官能映画が流れても、史実や演出などに指摘がいき、普通の家庭などでありがちな、気まずいムードになったことはない。 「明日から新学期だ天啓を祈ってやる」 デートはカフェでおひらきになった。 朝から夏の暑さが体力を奪う。結局遅くまでネタを書き出していたら寝坊して登校時間ギリギリだ。 ドン。 わき道から飛び出して来た身体とぶつかった。ぶつかった女の子は勢いで転んでしまった。 「ごめん、大丈夫かい?」 女の子は譲二を見て。 「学校、今日からなのに…場所知りませんか?」 女の子はカタコトな日本語で話た。 譲二は、(ちょっと待って、待って下さい。なんかエロゲーキャラみたいなコだよ。うちの学校の制服がエロく見えるなんて…変型ジャンバースカートのウエストは採寸通りにぴったりと細く、そしてウエスト部分に乗るブラウスはやわく豊かな胸をつつみ、スカートからのぞく太股とニーハイの絶対領域!神様これはご褒美ですか?) 「ごめん、あんまり君が可愛くて言葉をなくしてたよ。そうそう、うちの制服だね。転入生?よかったら一緒に行こうか?」 夏休み後の初日だ放課後だがまだまだ賑やかだ。 自分の席についていた譲二のもとにクラスメイトの幸喜がやって来る。 「遅刻だなんて仕事がよっぽどどん詰まりだな、大丈夫か?」 「へーき、へーき」 今朝の出来事ににやつきながら答えた。 ざわめきが大きくなる、譲二と幸喜もざわめきの方に視線をやった。 今朝譲二が会った女の子だった。 「見つけた!」 「!?」 女の子は人をかき分け譲二の前に立った。 「今朝はありがとう、私は転入生早川エマ。私をあなたのガールフレンドにして」 こうして突如新学期ギリギリで遅刻したその日ガールフレンドが出来ました。
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