出会いは萌死の一歩前

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ガールフレンドが出来て生活がとたんに変わった。仕事が嘘のように進み。人生初めての恋人は二次元キャラクターのようにベタなフラグを建てまくってドキドキワクワクさせる。何一つ文句のつけようがない生活が続いた。 ここはエマが一人暮らしするマンションの一室だ。 エマは箱入り娘で親が教育の一環として日本の学校に入学させたらしい。 仕事は順調で今度過去作が映像化されるらしい。そのうちわのお祝いのつもりだった。 リビングのローテーブルにはお菓子とジュース。 エマは深刻そうに話出した。 「譲二身体大丈夫?」 「エマ…?」 「譲二に言ってなかったことがあるの、私。人間じゃないの」 生唾をのむ音が響く。 「本当に身体なんともない?疲れやすいとか力が抜けていくような気がする、とか」 「…その顔は心あたりがあるのね、私、リャノーンシーとサキュバスの血をひいた人外なの」 「相手の望む淫夢を見せ精を奪い、詩文の才能をあたえ命を奪う…ごめんなさい、このまま私といると早晩貴方は死ぬわ」 突然の話で内容がヘビーで放り出したい気分だったけど、自覚があったし手に入れたものを失うことに躊躇いも覚えた。それだけ彼女と過ごす日々は極上だと言うことで…命をかけるだけの日々ではあるしかし代償の死を受け入れられるかと言えばまだ若い自分には重すぎる代償だ。 うちわのお祝いの席は秘密の暴露と別れ話に変わった。 彼女と最期まで過ごすか生きて別の可能性を見るか悩んだ。 学校から帰って家の自室に引っ込んだ。 するとモノトーンのゴスロリ少女が部屋に立っていた。 驚いたが、ガールフレンドの件があるお仲間かもしれないと黙って対峙した。 初め表情のなかった少女はニヤリと笑い。 「お初にお目にかかる、私、この地区の担当死神をやっているものです」 「…はぁ、もしかして悩んでるうちに寿命来ちゃいましたか?」 「まぁ、死にかけですが死ぬのは今じゃない。彼女と別れて下さい」 「それが死神の仕事?」 「人の寿命と魂の管理ですね、貴方から別れを告げられなければ私が彼女を退去させることになります。死神として」 「貴方の寿命はまだまだ続く今死なれると私の管理不足を問われる」 「それではいい答えを出して下さい」 そう言って少女はふわりと消えた。
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