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「確かばあちゃんの夢を見たような気が…」
颯汰は走りながら、見たはずの夢を思い出そうとしたが、どうしても思い出せない。
ただの夢じゃないリアルな感覚だけは残っていた。
「夢?」
颯汰は首をかしげながらスマホの時計を見た。
「まずい、絶対間に合わない!」
駅前の最後の信号が点滅している。
「くそっ赤だ」
もう快速急行がホームに入ってくる。
颯汰は慌てて左右の車を確認した。
「行けるっ!」
颯汰が赤信号の横断歩道を一歩踏み出した時、バンという衝撃が颯汰の全身をつらぬき、夢か現実か区別できない記憶が呼び覚まされた。
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