天国と地獄

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「おい、朔楽!!起きろって!!さくらちゃーん」 天使のような顔で眠る彼の耳元で、声をかける。 身じろぎしながら開いた瞳は、色素の薄い灰色でとても綺麗だ。 「……さくらじゃない……」 「え……?」 「篠原……」 不機嫌そうに言う朔楽は今にも瞼が閉じてしまいそうで、俺は慌てて彼の体を起こす。 「あー、はいはい、篠原くん。ごめんね。おじさん仕事だからとりあえず、出てくれないかな?」 夜はあんなに大人顔負けの表情を見せるのに、朝はずいぶん弱いのだと分かった。 噂のさくらちゃんになんとか約束を取り付けた昨日の夜。 最初は見た目が少し良いただのガキだと思っていた。 けれど、それは抱き合ってみてよく分かった。 このガキただの子供ではない。 これは噂以上の…… とびきりの淫乱男子だ。
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