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「ま、混ぜるのか」
今度は抱かれた手を離さない。
「かなり安物だが混ぜるには十分使える。
これで五十を百にする」
喉を鳴らしながら、横にある男前の顔に、
「四万が百パケで四百万……
でも一人が二つも買うかな」
希望と不安の小声を掛ける。
左手は肩に手を回したまま、右手でスマホを取り出し、
「そこで、もう一つの魔法のアイテム」
耳元で囁いた。
「この中には、薬に興味津々のホストやその客達が五十人はいる」
「俺の客と合わせて百人…… 」
「そしてこっちの新規さんには、当然ワンパケ五万円」
「全部捌ければ合わせて四百五十万」
実現可能な提案に興奮した。
「あんたの上に支払う二百万、俺のこの魔法の粉の元手が二十万、残りの金額を山分けってのでどうだい」
「やる! 」
男前の顔を間近で見つめ即答した。
「ただし、混ぜ物なんてものがあんたの上にバレたらマズイ」
「そうだな」
「キャンペーンは一日限り、気合い入れて宣伝し即売する」
「わかった」
全てに納得し、体を離してガッチリと握手した。
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