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駒井靖夫は持っている覚醒剤をテーブルに広げ、魔法の粉を混ぜて新たに百パケ作った。
グラムまできっちり計る丁寧な作業。
朝まで掛かって完成させ、男前との待ち合わせ場所に向かった。
「出来た? 」
何気ない会話と軽快な音楽が流れる、街中にある喫茶店。
「あぁ、お前の方は? 」
珈琲を飲みながら、音に紛らすように会話する。
「百人全てに連絡を入れた。
俺の客は全員買いで、あんたの方は四十名が買いだ。
残りの十名はあんたからもう一押ししてみてくれ」
「わかった。
じゃあこれな」
五十パケ入ったセカンドバッグを男前へと手渡した。
飲みかけの珈琲を置いて二人は外へ。
「夕方までには終わらせよう。
待ち合わせは例の場所で」
町外れにある廃墟になっている倉庫。
「キャンペーン開始だ」
駒井靖夫はコクッと一つ頷き、残りの五十パケ入った小さな鞄を持って男前と分かれ、夕方の札束を夢に顧客巡りを始めた。
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