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「ハァ……ハァ……
ハァ…… 」
荒れる息を必死に抑える。
数メートル先にはお洒落なスーツを着た塩見が車を待っている。
サバイバルナイフを握り締めた右拳を布テープでぐるぐる巻きにして固定し、荒れた息を飲み込み静かに静かに近付く。
目の前には自分をこんな目に合わせた男の背中。
「くたばれ! 」
思いを叫びながら左手を添えて心臓の裏へと押し込んだ。
「て……てめぇ…… 」
血飛沫の向こうで塩見が振り返る。
背中のナイフを抜き取り、振り返った首を裂いた。
さらなる血飛沫に塩見の顔が消える。
「ふざけやがって!
お前のせいで!お前のせいで! 」
倒れ込んだ背中に馬乗りになって、
「死ね!死ね!死ね! 」
何度も何度もナイフを突き刺す。
顔が真っ赤に染まった時には、塩見の体は痙攣さえ止まりピクリとも動かなくなっていた。
「ざ……ざまぁみろ! 」
馬乗りになったまま、
「ひゃは……
ひゃははははは」
高笑いの雄叫びを上げた。
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