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「ひゃははははははは」
「ダメだなこいつは」
足元には開封された大量のパケが転がっていた。
「ただでさえ安物の覚醒剤に、更に混ぜ物したやつを大量に使うなんてよ」
ボロボロの民家の今にも崩れそうな壁にもたれ、
「ひゃはははははは」
駒井靖夫はよだれを垂らしながら笑い続けていた。
「どうせ訳の分からねぇ夢でも見てやがんだろ」
塩見は革靴の底を押し出す様に駒井靖夫の肩を蹴飛ばした。
「ひゃはははははは」
倒れ込んでも笑い続ける。
「ふん、純物使ったところで同じようなもんだ」
塩見の後ろから橋口が現れた。
「どうします、こいつ? 」
「携帯はサツに渡ってる。
あくまでもこいつが首謀者だ、ほっとけ」
「はい」
駒井靖夫の件についてそれ以上の追求は必要なく、
「こいつの方はどうします? 」
ボコボコに腫れた顔の男を、後ろ手に縛った縄を引っ張って橋口の足元に転がした。
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