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橋口は男の髪を掴み上げ、
「お前もこんな風にはなりたくねぇよなぁ」
駒井靖夫の姿を見せつける。
「もちろん……
へへへへ」
ボコボコに腫れた顔が媚び諂う笑いを見せた。
有無を言わさず持っているスマホを取り上げ、塩見がすぐにノートパソコンに繋げデータを抜き取る。
「次はお前が売人だ」
抜き取ったデータから売買取引のあった人物だけを、新機種のスマホへ顧客名簿として登録し、
「これを使え、お前のスマホは預かっておく」
ノートパソコンから外した新しいスマホを男へ投げた。
「本来なら取り分は一割だが、お前のせいで大損害だ。
暫くはタダ働きしてもらうぜ」
「へへへへ…… 」
男は了解した事を笑いで伝えた。
「それから…… 」
橋口は手招きをして闇の奥から一人の人間を呼び寄せる。
男の顔が一瞬曇った。
「……明美」
「こいつの店への未払い分もチャラでいいよな」
橋口の目がノーとは言わせなかった。
「……もちろん。
へへへへへへ」
瑠偉斗はボコボコの笑顔で了承した。
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