エピローグ――――鳴動

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「灯里はどうしてますか?」 「居間で寝てるよ」  夕莉はクスッと笑って、 「昼間、一緒に買い物に行ったんだけどね。服なんかを見て回っているうちに疲れてしまったんだろう。帰ったらまた料理の練習をするんだと言っていたけれど、もうおねむだったようだから、私一人で作っているところさ」  灯里は少し前から、夕莉を先生として料理を習っているらしい。危ないからそんなことしないでいい、とは言っているのだが、本人の意志は固いようなので無理やりやめさせるわけにもいかない。 「あいつの買い物に付き合ってくれたんですか? 大変だったでしょ」 「そうでもないさ。友達と買い物をするのと似たようなものだよ」  最近は比較的安定しているものの、灯里は昔から病弱で入院しがちだったために、中学二年になった今でも親しい同年代の友達はいないようだった。そんな灯里にとって、夕莉は姉であり、友達のような存在なのかもしれない。買い物にしたって、男の冬吾には年頃の女の子の好みはよくわからない。そういう面でも冬吾は、夕莉がいてくれたことには感謝している。
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