エピローグ――――鳴動

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 夕食を終えて、帰る夕莉を見送った後、冬吾は自分の部屋に戻った。ベッドに腰掛けてから、名護から受け取った手帳をもう一度取り出す。  まだどういう代物なのかよくわからないため、灯里や夕莉にもこの手帳のことは話していない。今一度、中身を確認してみる。  手帳は元々メモ用の白紙ページが最初から最後まで続くタイプのもので、事件に関するものらしいメモや何かの電話番号、店の名前など雑多な内容が書き込まれていた。だが、そこから何か特殊な意味を見出すことは出来ない。……もちろん、よく確認してみないことには断定は出来ないが。  それにしても、この手帳を渡すように名護に頼んだ人物は、いったい何を考えていたのだろうか? 『役に立つ』、ということは、少なくとも冬吾のためを思っての行動であることはわかる。しかし、それ以上のことは何もわからなかった。 「ん……?」  手帳のページをめくっていると、少し気になる記述を見つけた。その後も何カ所か、引っかかりを覚える部分を見つけたが、決定的な発見とまでには至らない。……これは一度、禊屋に相談してみたほうがいいか?  そのとき、冬吾の携帯に着信があった。発信者の番号は登録外だったが、どこかで見覚えがあるような気がする。
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