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でも、日がたつのに比例するかのようにその言葉はどんどん重くなっていく。
「あのね」
「なに?」
私を見下ろす、いらだちを含んだ瞳に身が竦む。
せっかく喉まででかかってた言葉を、思わずごくんと飲み込むと、胃の中が重くなった。
「来週、桃香の誕生日だよね?
プレゼント、なににしようかと思って」
「あー」
ここ数日、必死で計画した。
桃香の誕生日プレゼント選ぶのを口実に靖史と出かけて、雰囲気のいいところで勢いで告白する。
告白する場所だって、港の見える公園で告白したらうまくいくってジンクス聞いて、そこに決めたし。
「女にプレゼントするもんなんてわかんねー」
「じゃ、じゃあ、土曜日、一緒に選びに行かない?」
沈黙。
怖いから顔はあげない。
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