素直に好きって云えなくて

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購買に行った、亮と桃香を待つあいだ。 ふたりっきりの、少し気まずい空気。 「今日、暑くね?」 「そうだね」 がっかり。 ちょっと真剣な声だったから、云ってくれるのかと思ったのに。 「それでさ」 「うん」 今度こそ、期待を込めて靖史を見つめる。 「午後の体育、女子はなんだ? 男子は持久走って殺す気かってーの」 「いまどき跳び箱だって」 なんでそこで云わない!? コンビニで告白未遂をした日からすでに一週間。 云わない私も私だが、靖史だってなかなか云ってくれない。 「そういえばね」
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