素直に好きって云えなくて

21/27
前へ
/27ページ
次へ
……誘ったくせにはっきり返事しないから、怒ったんだよね、きっと。   着いた先は私が計画してたカフェだった。 少し早い時間だったからか、待たされることなく中に通される。 ランチのメニューからトマトとベーコンのパスタを頼んで、しまったと後悔した。 だって今日は、白のシャツだったから。 なんでこんな日に白シャツを選んだんだろう。 だってこれが、一番可愛いと思ったから。 「買うものはだいたい、決まってんの?」 「あ、うん」 ソースが飛ばないか気になるから、ついつい返事がおろそかになってしまう。 「買い物終わったら、ちょっと暇ある?」 「えっ、あっ、うん」 視線に気付いて顔をあげると、靖史が私を眼鏡の奥から見つめてた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加